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24.使用貸借の現行の取扱い
使用貸借にかかる税務は、次のように取り扱われます。
1.使用貸借により土地の仮受けがあった場合(借地権の設定時の課税)
建物又は構築物(以下建物等といいます)の所有を目的として使用貸借により土地の仮受けがあった場合は、借地権の設定に際し、その設定の対価として権利金を支払う取引上の慣行のある地域においても、その土地の使用貸借に係る使用権の価額はゼロとして取り扱うこととされています。
したがって、次のような場合は次のように取り扱われます。
父子間使用貸借の場合・・・子に対し借地権相当額の贈与課税はありません。
父子間使用貸借の場合・・・ |
借地権についての課税関係は生じません。
建物のみが贈与税の課税対象となります。 |
父子間使用貸借の場合・・・ |
自用地又は貸家建付地(貸家の場合)の贈与となり、
底地の贈与としては取り扱いません。
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2.使用貸借に係る土地等を相続又は贈与により取得した場合
使用貸借に係る土地又は借地権を相続又は贈与により取得した場合は、その土地の上に存する建物等又はその借地権の目的となっている土地に上に存する建物等の自用又は貸付けの区分にかかわらず、すべてその土地又は借地権が自用のものであるとした場合の価額により評価することとされています。
ただし、他人に賃貸借されている建物等の贈与を受け、使用貸借の開始があった後に相続があった場合又は贈与する場合には、その土地の価額は貸家建付地等として取り扱うことができるとされています。
父の土地の評価・・・自用地として評価します。
父の土地の評価・・・貸家建付地として評価します。
3.使用貸借に係る土地等の上に存する建物等を相続又は贈与により取得した場合
使用貸借に係る土地の上に存する建物等又は使用貸借に係る借地権の目的となっている土地の上に存する建物等を相続又は贈与により取得した場合は、それぞれその建物等が自用又は貸付けのものであるとした場合の価額により評価することとされています。
つまり、借地権はゼロとして取り扱うということです。
子の評価・・・建物の価額により評価し、借地権はないものとして評価します。
25.使用貸借の従前の取扱いと経過措置
現行の使用貸借は、昭和48年11月1日から適用されていますが、それまでは、土地を無償で借り受けた場合には、その借受時に借受者に対して借地権当額の贈与税課税が行われ、また、無償仮受けに係る土地の上に存する建物等を相続または贈与により取得した場合には、その建物等の敷地に係る借地権相当額が相続税や贈与税の対象として課税されていました。
そこで、従前の取扱いを受けて借地権相当額の課税を受けている場合は、経過措置として、次のように取り扱うこととされています。
1.土地の無償仮受け時に借地権相当額の課税が行われている場合
その建物等の自用又は貸付けの区分に応じ、それぞれその建物等が自用又は貸付けのものであるとした場合の価額とし、その建物等に存する土地に係る借地権の価額に相当する金額を含まないこととします。
<S48.11.1以降>
子の評価・・・建物の価額により評価し、借地権は評価しません。
父の評価・・・土地の底地価額で評価し、借地権部分は課税対象に含めません。
1. |
その土地を相続又は贈与する前にその土地の上に存する建物等の所有者が移動している場合で、
その時に借地権相当額の課税が行われていないときは、その土地を自用のものであるとして評価します。 |
<S48.11.1以降>
父の評価・・・土地の自用地価額で評価します。
2. |
その建物等の所有者が移動していない場合及びその建物等の所有者が移動している場合でその時に借地権相当額の課税がされているものについては、その土地が借地権の目的となっているものとして評価します。 |
イ.
<S48.11.1以降>
父の評価・・・土地の底地価額で評価し、借地権部分は課税対象に含めません。
ロ.
<S48.11.1以降>
父の評価・・・土地の底地価額で評価し、借地権部分は課税対象に含めません。
3.借地権の目的となっている土地を現行の取扱いとなる前にその借地権者以外の者が取得している場合。
<S48.11.1以降>
父の評価・・・建物の価額により評価し、借地権は評価しません。
子の評価・・・土地の底地価額で評価し、借地権部分は課税対象に含めません。